メールの着信音が鳴り、涼子は携帯をポケットから取り出した。
『もう一度だけ、聞かせて。俺たち、もうやり直せないのかな?』 涼子は、クラクラするほどの怒りを感じていた。 『いい加減にして。最後に会いたいって言うから出てきたのに。まだそんな事言ってるなら、このまま帰るよ』 駅前の百貨店の前。 メールの着信音がして、ため息をつきながら涼子が携帯を見る。 『お前と別れるくらいなら、俺、死ぬ』 涼子は手早く打ち込んだ。 『しねば』 待っていたかのように、すぐ返事が返って来た。 『一緒に死のう』 「もうイヤ!」 途端、何かが一瞬太陽を横切り、すぐ後ろで大きく堅い音がした! 振り向くと、そこには肉塊と化した達夫が転がっていた。 達夫は、百貨店の屋上から、涼子目がけて飛び降りたのだった。 |
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