テトリスのようだ。と彼は言う。
その港に届けられるコンテナの数は、一日に500を下らない。 受け取り手が現れれば、保管代金と引き替えにコンテナが運び出されていく。 たまたま運び出されたコンテナが、山の真ん中ほどで、そこへまた新しく受取人不明のコンテナが来れば、その空いた穴へスッポリと収める事になる。 精確に揺れを止め、音も立てずにスッポリとコンテナが収まった時には、得も言われぬ快感があると言う。 ある日、いつものように受け取り手の居ないコンテナが届けられた。 保管期限が切れると、コンテナは港湾局の役人の前で開けられる事になっている。 そのコンテナは、再び山城操縦士の手によって、コンテナの間から抜き取られ、役人たちの前に降ろされた。 そして、コンテナの扉が開かれた。 途端に、茶色いドロリとした液体がコンテナから溢れ出し、役人たちの足下を覆った。 それは100人を越える人間の死体だった。 |
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