町金

通常、テレビなどで呼ばれる「闇金」。
実際には、そのような名前で呼ばれてはいない。普通は「町金」(マチキン)と呼ばれる。
彼らは許可無しで金融業務をやっているために、取り立ても必然的に違法的なものが多くなる。
よく言われるのが、「臓器売買」だが、実際には東南アジアなどから安い臓器が入ってくる上に、ルートの確保が難しいため、臓器を売られる事は無い。
その次に言われるのが、「マグロ漁船」
マグロ漁船は船倉が満タンになるまで、マグロを追いかけて外洋を航行する。そこに乗れば、一回の出航で船員一人当たり100〜400万円の売り上げになる。その金を前払いでもらうという手段。
だが、実際これも、船に乗せたはいいが使い物にならない人間が多く、しかも給油・給水などで立ち寄った港で脱走する奴が多いため、現在ではほとんど使われない手段だという。

では、今の取り立てはどうなっているのか。

ある「090金融」のA氏に着いていく機会があった。
彼の話によると、今の取り立ての主流は職人相手が多いとのこと。
その日も、都内の寿司屋への取り立てだった。
5年前に開業。しかし、それまでに鉄板焼き屋、洋食屋、ケーキ屋などを潰しており、銀行からの借り入れは見込めないため、開業資金はA氏の「090金融」からとなった。

そして、いつものように運転資金すらままならなくなり、今回A氏じきじきの訪問を受ける事となった。 

「お邪魔しますよ」
と、寿司屋に入るA氏。
すぐに奥から、50絡みの男が走り出てきて、土下座をする。
「あと1カ月だけ、待っていただけないでしょうか」
必死の叫びにも似た声で、A氏の足元にすがりつく店主。

「ああ、いいのいいの」
ニッコリと笑って、A氏はコートのポケットからナタを取り出すと、土下座している店主の右手に振り下ろした。
悲鳴があがり、床を転げ回る店主の横には、手首が一つ落ちている。

帰り道、A氏は話してくれた。
「職人はね、手に保険かけられるから。ま、もう働けないから、この先、人生ないけどねぇ」

 

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