ミキとサチ、キヨミの3人は、ナンパしてきた二人の男と一緒に車に乗っていた。
二人の名前は、コージとリュウイチ。
名字は知らない。
「もう、海の近くじゃん。こんなとこにカラオケ店なんて、ホントにあんのかよ」
とサチ。
「マジだって、超高級カラオケ店だぜ」
「聞いたことある? キヨミ」
「ない。でも、夜の海ってのも気持ち良さそうだし、別にいいじゃん」
「いやいやいや、マジだって、信じてよホント」
車は2時間ほど走って、止まった。
辺りは夜闇に沈んでいる。
カラオケ店どころか、店の一軒も見あたらない。
明らかに、港近くの倉庫街だ。
「やばくね?」
とサチ。
「どっかに仲間隠してて、マワシってパターンはカンベンしてよ」
とキヨミ。
「そんなセコい奴に見える? 俺ってさ」
そう言いながら、コージが車を倉庫の間へ進めた。
そこにポツンと、コンテナが一つ置いてあった。
「さ、着いたよ」
「え、ここ?」
「そそ」
車を下りたリュウイチが、コンテナの扉を開けた。
中は綺麗な内装のされた、カラオケボックスになっていた。
「うわ、コンテナ使ったカラオケボックスって、今どき…」
「ここが、最高なんだって。ほら、入って入って」
怪しみながらも、サチ・ミキ・キヨミの3人はコンテナの中に入った。
「うわ、高っ!」
思わずミキが声をあげた。
部屋の壁に値段表がかかっていた。。
『1人・・・・・5万円
2人・・・・・10万円
3人・・・・・15万円
それ以上は、相談に応じます。』
「こんな金払えんの? 私ら持ってないよ」
そう言いながら振り向いたミキ達の前で、コンテナの扉が閉められた。
コンテナの外で、コージが外国人と話をしていた。
「3ニンダカラ、15マンエン、ネ」
「毎度あり」
コージは札束をポケットに押し込んで、クレーンで船に積み込まれるコンテナを見送った。
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