美香は、特別、自分がセックス好きな女とは思わなかった。 だけど、もちろん決して嫌いではなかった。 それでも、会ったばかりの男と、ラブホテルに入るのは初めてだった。 男はリョウと名乗った。 今、ベッドの隣にリョウが腰をかけて、なんとなく二人でテレビに映し出されるアダルトビデオを見ていた。 ふと、美香はベッドのヘッドボードの上に「想い出ノート」と書かれたノートが一冊あるのに気づいた。 と、ノートの下の余白に『アドベンチャーゲーム』と書かれているのに気づいた。 「?」 美香は肩胛骨まである、ロングヘアーだった。 『あなたは痩せ形? yesは18ページ。noはゲームオーバー』 美香は食べても太れないタイプの、かなりの痩せ形だった。18ページをめくる。 「なに?」 『あなたは「クラブ・ラグーン」にいた? yesは24ページ。noはゲームオーバー』 『クラブで男と会った? yesは35ページ。noはゲームオーバー』 美香は微かな戦慄を覚えながらも、35ページをめくっていた。 『男の名前はリョウ? yesは40ページ。noはゲームオーバー』 美香は震える手でページをめくった。 そこには、乾いて茶色くなった血の手の跡がべったりと付いており、下の余白には文章が書いてあった。 『逃げて! その男は、女の顔を切り刻むのが好きな異常者よ!』 美香は出来る限り、静かにノートを閉じた。 そして、ベッドから立ち上がり、ゆっくりと歩いて部屋のドアを出た。 「おい!」 リョウの声が背後から聞こえた瞬間、美香は全力疾走で部屋を飛び出した。 |
SEO | [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送 | ||