事故目撃談

注)この話はまったくの事実で、物語中の「私」は、私です。
こういうサイトに掲載するのは、不謹慎かとも思いましたが、載せてしまいます。
みなさんも、車の運転には十分に気を付けてください。

 
その時私は、仕事で名神高速道路を走っていました。
  と言っても、運転はしておらず、ワンボックスの後部座席で、うつらうつらとしていました。

 と、ワンボックスが急速にスピードを落とすのを、体で感じました。
  とても高速道路ではありえない、急減速。急ブレーキというほどではありませんが、かなりのブレーキです。

 私はその異常さに目を開けると、ワンボックスはユルユルとしたスピードで走っていました。
「どうしたんですか?」
  運転席のMさんに声をかけると
「事故みたいですよ。ほら」
 
  その声に、前方を見ると、まだ煙を上げている事故車が見えました。
  その向こうには、相手の事故車らしいトラックが斜めに停まっています。
  つい数分前に事故があったらしく、パトカーや救急車の姿も見えません。

 道を塞ぐように停まっている事故車は、普通乗用車で、こちらに右側面を見せています。

 ワンボックスは、その乗用車の横を過ぎてゆきます。
  トラックに右側面をもぎ取られたらしく、こちらから車内が丸見えになっていました。
 
  ゆっくりと横を過ぎてゆく乗用車を見ると、後部座席にうつむいた老婆が乗っていました。

 そのまま、前に目線を移すと、助手席に泣き叫ぶ女性が乗っており、パニック状態になっているのか、ロックされているドアを無理矢理開けようとしています。
 
  そして、運転席にはジーパンを履いている人が乗っているのが見えました。

 白と赤のスニーカーが見え、青いシーンズが見えます。
  そのまま目線を上げると、赤いスカジャンを着ているのが見えます。
  おかしな事に、スカジャンに赤いネクタイをしており、ゆらゆらとネクタイが揺れていました。

 そして、その上には首がありませんでした。

 トラックに巻き込まれた時に、首をもぎ取られたようでした。
  恐怖と好奇心で、よく見ると、ネクタイだと思った物は首の皮のようでした。

  強い力で首が引きちぎられたらしく、首の皮が限界まで引き延ばされブラブラとぶらさがっていたのでした

 私は、不思議なほど静かな気持ちで
ああ、案外、血って飛び出さないものなんだなぁ…
  と思いながら、その場を通り過ぎました。

 翌日の新聞に、その時の事故の記事が載っていました。
  運転をしながら、上着を着ようとしたのが事故の原因との事でした。

 

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